無気力めんどくさい時鬱状態の時
「最近、なんだかやる気がでない」「疲れる」「からだがだるい」…俗にいう「無気力」な状態ですが、「神経伝達物質」は、そんな状態から抜け出すヒントになるかもしれません。
無気力の原因とは?
私たちの脳内には、アドレナリンやドーパミン、セロトニンといった物質が分泌されています。これら「神経伝達物質」は、人の感情や行動を左右し、さらに自律神経にも大きく影響を与えています。
過度なストレスや疲労、自分にとって好ましくない環境が続くと神経伝達物質のバランスが乱れ、さまざまな精神・身体症状を引き起こします。
無気力になった時の解消法とは?
無気力なときに行動を起こすのは難しいもの。次の3つのポイントを意識しつつ、できることから初めてみましょう。
睡眠
良質な睡眠を得ることで、しっかりと疲れを取りましょう。
日中に受けたダメージを修復するホルモンが分泌されるのは22時頃からといわれています。その時間には布団に入っていることが望ましいです。
夜に眠れなくならないよう昼寝をするときは短時間を基本とし、夕方には寝ないようにしましょう。
栄養
お腹が空いていたり、栄養バランスが崩れたりすると「イライラ」しやすく、必要な栄養が臓器にいかず病気にも弱くなります。
健康な体は、栄養バランスのとれた食事から作られています。暴飲暴食や偏食はやめて色々な食材をまんべんなく食べ、抵抗力をつけましょう。
生活習慣
生活のリズムを整えることは、多くの病気の予防・治療にも重要です。
毎日決まった時間に寝起きする
朝起きたら、鏡を見て顔を洗い、歯磨きして、洋服に着替える
食事は少量でも、三食だいたい決まった時間に摂る
便意が無くても、毎朝便座に座る
一日一回は外に出て少し歩いてみる
特に午前中に日に当たるようにする
最初は抵抗があって、無意味な感じがするかもしれませんが、生活習慣として取り入れましょう。
無気力症候群
無気力症候群には、例えば受験生が合格したあと目標がなくなり、喪失感とともに陥るもの(スチューデント・アパシー)があります。児童の不登校や社会人の出勤困難なども、同様の病理と考えられています。
また、一生懸命頑張ったにもかかわらず、期待した結果を得られなかったあとに陥る「燃え尽き症候群(バーンアウト)」でも、無気力を生じます。
さらに、モラトリアムと呼ばれる、人格の成長過程で、目標を見失い、アイデンティティが確立できていない時期にも、無気力になりやすいです。
これらの状態は、一概に病気とは言えませんが、うつ病への移行もあり、注意が必要です。
病気で起こる「無気力」とは?
「無気力」は病気の症状としてあらわれることもあり、こんなときは要注意です。
精神的・身体的ストレスが原因で、脳に機能障害が起き、脳がうまく働いていない状態です。
普段は乗り越えられるようなストレスでも、とても辛く感じてしまったり、ものの見方がネガティブになり、自分は「ダメな人間なんだ」と感じたりします。
「眠れない」「起きられない」「だるい」「何をしても楽しくない」「気分が乗らない、落ち込んでいる」などが続いている場合には、うつ病の可能性があります。
認知症とは、いったん正常に発達し獲得した知能や精神機能が、減退消失していき、日常生活に支障をきたしている状態です。
初期の認知症では、「何をやってもうまくいかない」「考えても思い出せない」といった症状から、自分の失敗や失態に対し気が滅入り、やる気を失った無気力状態になってしまうことがあります。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が減少する病気です。
これにより、食事をエネルギーに変えるスピードが遅くなることで、「だるい」「寒い」「眠い」「食欲不振」などの症状を引き起こします。
主に、ホルモン剤の投与により治療します。
更年期障害とは、性ホルモンの分泌量減少が原因で起こる、さまざまな体調の変化や情緒の不安定な状態のことです。男女ともに起こり、初期に、「何となくだるい」「寝付けない」などの症状を感じることがあります。
女性の場合は50歳前後(閉経の前後)、男性の場合は50~60歳頃に発症する方が多いですが、女性に比べて発症年齢に個人差が大きい傾向があります。
男性では睾丸ホルモン(テストステロン)の分泌が減少し、自律神経失調症と同様の症状が現われます。一方、女性は閉経により卵巣ホルモン(エストロゲン)が急激に減少することで、のぼせ・異常な汗・めまい・イライラ・不安感・不眠・無気力感などの症状が出ます。
原因不明の強い疲労感が長期間続く病気であり、微熱、痛み、リンパ節の腫れなどを伴い、自律神経症状や無気力などの精神症状も生じます。重症化すると、日常の生活にも著しい制限を受けることがあります。
まとめ
誰でも一度くらいは、「やる気が起きない」「だるい」「疲れる」と感じたことがあるのではないでしょうか。
休んでもなかなか抜けない疲労感や、長く無気力な状態が続くようであれば、体の悲鳴であると受け止め、一度医療機関を受診することをおすすめします。